藤が丘

わたくし、いやワシ、
高校を卒業してから大学浪人という奴をしておりまして…
3年間もしまして…
結局、大学とは縁がなく現在に至る訳なのですが。

目指していたのは美術大学、
とりあえず学費が安いってんで
公立の東京芸大と愛知県立芸大が
志望1位2位でした。

東京芸大は美術系では国内トップ。
だから受けてはいたがあまり合格しそうな気はしとらんかった。
でも愛知県芸はなんとかなるんじゃねえか?と思っていた。

現役、1浪、2浪と3回受けたが、
結局1次のデッサン試験を突破して2次の油絵実技試験に進む事はなかった。

我々の予備校(広島)は
栄の安宿を使っていたので
大学までは名鉄東山線を使って終点、
藤が丘駅まで行き、
そこから農業試験場前行きのバスを利用した。

東山線といえば、
導入されたばかりの自動改札に
普段鉄道を一切使わない生活をしていた田舎もんはメチャクチャ戸惑った。
駅員さんがぱっちんぱっちんしてくれなくても入れるシステムに驚いた。

2浪目の時は1次実技の結果発表を自分で大学まで見に行った。
受かると思っていたんで2次の準備をして。

大学で発表を見て傷心を引きずったままバスで藤が丘まで行き、
東山線に乗り、栄の東急インへ戻ってきたら、
オープン戦の為名古屋に来ていた
ロッテオリオンズの選手団が宿泊者としていた。
太腿の立派さにびびった印象が強烈に残っている。

去年、下北沢ブルームーンで対バンした
しんごとひでこ”という夫婦デュオが
「藤が丘」という曲を歌っていた。
長久手とか歌詞の中に出てくる地名に
あの予備校時代の切ない思い出が蘇ってきた。
地下鉄が最後にひょっこり地上へ顔を出すあの駅の風景を思い出した。

その日初めて観た
“しんごとひでこ”であったが、
引っかかったのは「藤が丘」だけではなかった。
しんご氏の
モーダル系のギターチューニング、
バンジョー、
ひでこ氏の
牧歌的なアコーディオンプレイ、
そして楽曲たちに
強く英国フォークの香りを感じた。
そう、ワシの大好物である。

ライブ後も共通の音楽の話題で終電近くまで盛り上がり、
二人の迷宮の館がなんと万象房のすぐ近くという事で、
同じ方向おだQ線で話しながら帰った。

彼らがその迷宮の館で作りあげたというCDが昨年発売されて
直ぐに欲しかったのだが、
経済的な事もちょっとあったり
本人達から直接買いたいというのもあったりで中々聴けなかった。
が、先日、やっと会う機会がありゲットしたのだ。

ライブでは二人で持つ楽器に限界があるが、
元々ドラマーであるひでこ氏がスティック握っている楽曲もあり、
嗚呼こういうバンドサウンドもやりたい人達なんだな〜っていうのが
良く分かるアルバムだ。
是非サポートメンバーが加わったライブ演奏も聴いてみたい。
カッコいいだろうな。

しんご氏の
粒だちのいいバンジョープレイ、
ライブでもいいけれどCDでもいい感じ。
バートヤンシュ等を彷彿させるギタープレイも超気持ちいい。

「藤が丘」は
そんな霧に包まれた英国の森から
ひょっこりと顔を出した
陽だまりのような、
正に名鉄東山線のような感じで
このアルバムの中で登場する。
そんなホッとする曲。
そんな曲順。

彼らのホームページから購入可能なので気になる方は是非。

しんごとひでこホームページ

最後まで読んでくれてありがとう。
話が長久手、いや長くてごめんね〜


 

*追記*

 

因みに現在、愛知県芸へ行くにはリニモという交通機関を使うらしい。

農業試験場前行きのバスは廃止になったようだ。


愛知郡長久手町だった住所も

2012年1月4日

市政施行して長久手市となったそうだ。(Wikiより)




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